伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」2006年03月01日 05:28

2006年2月28日(読み終えた日にち)星2つ(全5つ中)

普段は市役所の職員で人の嘘が見ぬける成瀬、へりくつをこねさせたら超一流という喫茶店店主の響野、正確無比な体内時計を持ち車の盗難とドライビングテクニックが素晴らしい雪子、人間より動物が大事でスリの名手の久遠。 この個性豊かな4人の銀行強盗がある日、せっかく強盗して来たお金を横から他の強盗団に取られてしまう・・しかし、これには実は裏が・・と、言うお話。

アマゾンでの一般の方のブックレヴューの評判がとても良かったので読んでみました。確かにとても軽快な文章で登場人物達も個性的で良いとは思うのですが、何かそれだけ・・・みなさんが書いている程伏線が生きているとも構成が巧みだとも思えなかったです。

桐野夏生「錆びる心」2006年03月01日 05:35

2006年2月28日(読み終えた日にち)星4つ(全5つ中)

全六編からなる短編集。 妄想の恋愛をする生物の女性教師の話「虫卵の配列」、煮え切らないダメ男を描いた「羊歯の庭」、自分が酒乱である事に気がついた男の悲劇「ジェイソン」、荒れた庭園を愛する男の話「月下の楽園」、仁義なき戦いに憧れるヤクザみならいのお話「ネオン」、そして10年間愛のない生活に耐え、ついに家を出て家政婦になった主婦の話「錆びる心」。

この方の作品も始めてだったのですが、読み始めたとたん文章や構成の上手さに魅せられました。そして終わりの方では酔いしれました。一気に読んでしまいました。

京極夏彦「ルー・ガルー 忌避すべき狼」2006年03月04日 15:31

2006年3月3日(読み終えた日にち)星8つ?(全5つ中)京極堂は星10コ(^^;)

2030年の近未来、管理された現実が希薄な社会で少女ばかりを狙う連続殺人事件が起こる。 14歳の県議の養女の牧野菜月、違法建築で鳩を飼っている神埜歩未、すでに大学のカリキュラムを履修している天才児の都築美緒、未登録住民の麗猫、占いに詳しい佐倉雛子(黒い服ばかり来ているので仲間うちでは葬式娘と呼ばれている)等が巻き込まれる。 それにカウンセラーの不破静枝、刑事の橡がからんで・・・

刑事の橡(くぬぎ)が京極堂シリーズの木場にソックリ(^^;)大好きなんだモン♪ 京極さんはやっぱレベルが違う。 お金出して買う本ってのはこうじゃなくっちゃいけないよな。 素人が書いたような本が多過ぎるよ。 静枝の論理の切れが小気味いい。 亡我の状態にまで引き込まれました。

**********ネタバレ**************

この社会では合成食品が作られて久しく、すでに動物は食べなくなっている。 合成食品を生み出した人物は動物保護団体などから神様のようにあおがれている。 とこらが実は彼が合成食品を編み出した本当の理由と言うのが戦時中に食べた人肉の味が忘れられずに再現しようとした結果だったのだ。

押切蓮介「でろでろ6」2006年03月07日 04:18

ちょっとマンネリ気味か?

CLAMP「XXXHolic8」2006年03月07日 04:19

2006年3月6日(読み終えた日にち)星2つ(全5つ中)

管狐が可愛い♪ 話そのものはそんなに面白くないんだけどね(^^;)

牧野修「傀儡后」(くぐつこう)2006年03月08日 05:29

2006年3月7日(読み終えた日にち)星3つ(全5つ中)

大阪、守口市に隕石が落下し、巨大クレーターとなる。 そこへ行った者は誰ひとり戻って来ない。 特別危険指定地域とされたクレーター周辺はD・ランドと呼ばれる。 そしてD・ランド周辺から麗腐病と言う奇病が発生する。 この病気にかかると全身がゼリー化しやがてD・ランドを目指すようになる。

「カエアンの聖衣」と「ブラッド・ミュージック」を足したようなテーマでしょうか? SFマガジンの連載していたものだったらしく、何だか全体としてのまとまりが希薄な感じが否めなかったです。 う〜ん、これで第23回の日本SF大賞受賞??ちょっと解せない。 牧野修には他にもっと色々傑作があるだろうに・・・ まあ、賞なんてそんなものか? とは言え、一定レベル以上には楽しめました。

神林長平「言壷」2006年03月10日 03:48

2006年3月15日(読み終えた日にち)星5つ(全5つ中)

ワーカムと言う、人口知能付きのワープロの進化形のような機械を巡る9つのお話。 「奇文」不条理な文章の入力をワーカムに拒否された作家があの手この手でワーカムに挑むのだが・・「似負文」匂いが言語となると・・など。

私、長い事神林長平さんを誤解していました(--;) 一度、パラパラっとこの人の小説を読んだ(と、言うか見た程度)事があったんだけど、ちょうど見た所がそうだったのか、何だかえらく軽薄な軽いタッチで、私はてっきりこの人って所謂おばかなライトノベルを書く人なのかと思っちゃっていました。 でも、アマゾンのレビューがあんまし評判いいんで、今回コレを読んでみました。 ああ〜ごめんなさい! すばらしいSFの書き手でいらしたんですねm(__)mそれもかなり私好みの。 これから全部読みます!絶対読みます(T_T)

エリザベス・コストヴァ「ヒストリアン・1」2006年03月11日 06:40

2006年3月11日(読み終えた日にち)星2.5つ(全5つ中)

ドラキュラのお話。

原文を読んでいないので確かな事は言えないのですが 翻訳が作品を損なっている気がします。 文章が非常に読みづらいです。言葉の扱いに無神経なものを感じます。 まるで筆力が感じられず、お世辞にも上手いとはとても言えないです。

文法的に間違っている訳ではないのですが、ギリギリ意味が わかるような日本語や、倒置された語順(直訳するとこうなるかも) や、妙な処で否定形が入ってもう一度読み 直さないと意味が取れないような文章が多々あって物語に 浸り込もうにもいちいち妨害されているような感じがします。

内容そのものは歴史に伝説に古書に謎解きに史跡巡りに郷土料理にと、 魅力的な題材を散りばめてとても面白い物のハズ なんですけどね・・・ 1巻の終わりのあたりから少しは読み易くなって来るので面白くなります。

神林長平「あなたの魂に安らぎあれ」2006年03月17日 02:59

2006年3月16日(読み終えた日にち)星4つ(全5つ中)

火星の地下で暮らす虐げられた人間達、一方地上ではアンドロイド達が栄華を極めている。しかし、アンドロイド達の間に広まる「神、エンズビルが天より下る」と、言う噂、真相は?・・と、言うお話。

アンドロイドの優しい少女が最後、白い猫に変わる所が印象的でした。

神林長平「死して咲く花、実のある夢」2006年03月17日 03:03

2006年3月  (読み終えた日にち)星5つ(全5つ中)

脳に重大な情報を持っていると言う、米国大統領アーノルド・シュワルツコフから託された猫のオットーが誘拐される。その猫を探す作戦、作戦名またたび作戦、コードネーム「ネコさがし」の情報軍の3人は出動するのだが、猫を捕捉、捕獲しようとした瞬間、何かが起こる。気がついた時、3人は松本市上空の産業廃棄物置き場らしき所にいた。そして・・・クジラが空を飛んでいた・・・ここはどこなのか?自分達はどうなってしまったのか?どうも死んでいるみたいなんだが、何だかちゃんと死んでいないような・・・??形而上的ネコさがしが始まるのだった

すっごい面白い! こう言うの大好き。 これぞSFだね。感涙(T_T)